「台所」

著者  坂上 弘
出版社 新潮社
定価  1,600円


肉親や友を語る短編集 懐かしく深い感動
『内向の世代』の作家たちは還暦を迎え、来た道を振り返っているようだ。昨年は老境に入った三人の男の姿を描いた古井由吉氏の『白髭の唄』に回想の情景が目立ったが、今年は坂上弘氏の短編集『台所』(新潮社)が肉親や友について印象深く語っている。

― 日本経済新聞「通勤図書館」から」


「中国の地方都市事情」
[これから中国へ駐在する人へのアドバイス]

著 者 小川 康二
編集者 菅野 妙子
発行者 小川 康二
1997年12月20日第1刷発行 [非売品]


本書は、小川康二さん(第5期)が中国の合肥市(安徽省)に赴任中、MBIマル知ネットの「みんなの広場」に『中国レポート』として書かれたものをまとめたものです。

小川さんは1996年4月から97年9月までの1年半、合肥で自動車タイヤ新工場建設のプロジェクトに、技術コンサルタントとして参加されました。合肥市は、南京市に近い地方都市です。

中国に関する本は数多く出版されていますが、ほとんどが大都市中国の経済動向、総論を扱ったもので、実際に工場を建設するような地方都市の実情に触れたものはあまりありません。

「それなら自分で調べて書いてみよう」と、小川さんは合肥での生活やビジネスでの体験を『中国レポート』として書き送ったのが、本書を出版するきっかけになりました。

本書は、中国の変化の速さ、都市部と地方の格差の大きさ、中国人の考え方など、小川さんのように鋭い視点と問題意識をもった中国体験者ならでは語れない内容のものばかりです。また、写真も多く用いられていますので、中国の生活がよりヴィヴィッドに伝わってきます。

これから中国へ駐在される方々への必読、必携の図書として推薦します。

MBI同窓会事務局 菅野妙子

本書に関するお問い合わせはMBI事務局まで
Mail to MBI office


「ニューグロース戦略」
― 限界を打破する成長企業への処方箋

編者  マッキンゼー・アンド・カンパニー
著者  ギュンター・ロンメル、山梨広一
出版社 NTT出版
定価  1,500円(税別)


[見えるか、見えないか ――市場は無数のチャンスを秘めている]
本書は1996年、マッキンゼー日本支社の25周年を記念した自主プロジェクトの成果をもとに、その後の研究や討議の結果をまとめたものである。

日本企業には無限の成長機会が存在している。私たちはこれを固く信じている。そのうえで、企業組織が持つ本能に回帰してみてはいかがだろうか。この際大切なことは、制約条件をすべて取り払ってしまうことである。これまでの常識やソリューションスペースは忘れて、成長の可能性だけを一直線に考えてみることだ。

枠組みは後からついて来る。こうした動きの連続が企業を変えていく。結果として『ニューグロース・カンパニー』が生まれてくる。

― 本書『あとがき』から」


「テクノロジー・ウオッチング」

著者  D.A.ノーマン
監訳  佐伯 胖
訳者  岡本 明、八木大彦、藤田克彦、嶋田敦夫
出版社 新曜社
定価  2,900円+消費税


[誰のためのテクノロジー?]
人間のためのテクノロジー? それとも、テクノロジーのための人間?ハイテク社会をフィールドワークしてみれば、そんな疑問が湧いてくる。「誰のためのデザイン?」ドクター・ノーマンが想いを新たに放ったますます辛辣な現代ハイテクノロジー批判。
《推薦します》
本書は、第一章「6年生の学芸会で」から始まる。

著者は小学校の学芸会で起っている現象(ビデオカメラを携帯した親たち)の様子、つまり、イベントの実体験とイベント記録の問題から考察を開始する。著者は、ビデオカメラをまわす親達は記録のための操作に追われるあまり、イベントの実体験を失うことになり、家に帰ってからビデオ映像による代理体験で済ます事になる、と指摘している。

第二章以降では、愚かなデザインの具体例が展開される。一言で言うなら、多くの人が同じ間違いを犯すようなデザインや、マニュアルがないとどうしたらよいか分からないようなデザインは、「愚かなデザイン」ということである。逆にいうと、見ただけで自然に使い方が分かるようなデザインは、よいデザインということになる。

特に、ハイテク仕掛けの機器で、膨大なマニュアルを読まないと簡単な機能すら使えないような現象が増えてきていることについての指摘は興味深い。

この本を読んで、これからは高度なテクノロジーをやさしく使いこなすための「ヒューマン・インターフェース」がデザインの中心課題であり、この点を制した企業が、勝ち残っていくのではないかという予感がした。

この他、本書には、「時間」や「人間の間違い」などについて、著者一流の技術フィロソフィーがエッセイ風にちりばめられている。この部分は、人によっては冗長に感じられるかも知れない。

デザイナー、ソフトウェアー開発者、商品開発エンジニアだけでなく、「技術と人間」の関係に興味のある人には興味深い一冊です。

伴野 国三郎(27期)


「人を賢くする道具」

著者  D.A.ノーマン
監訳  佐伯 胖
訳者  岡本 明、八木大彦、藤田克彦、嶋田敦夫
出版社 新曜社
定価  3,600円+消費税


[ソフト・テクノロジーの心理学]
なぜ、人を悩ませ、人を無能にする機械や道具が氾濫するのか?人を助け、人を賢くするための「ソフト・テクノロジー」への招待。
[書評]
1930年にシカゴで開催された万博のスローガンは「科学が発見し産業が応用し、人間がそれに従う」であったという。今この標語を読んでわれわれは、人間が技術に従うとは何ごとか、と考えるかもしれない。倣慢な機械中心主義めが、と怒るかもしれない。しかし、現在ますます加速しつつ進行しているテクノロジー化の方向は、この標語以外の何ものでもないことを、著者はこの本を通して訴える。

人類が文明を築いてこれたのは、まさにさまざまな道具のおかげである。人間の肉体的な限界を補う道具はいうまでもなく、知的能力の面でもわれわれの可能性を大きく拡げる道具たちが、次々と作り出されている。しかし、効率向上を目指すあまり人間の存在がどんどん忘れられ、人間にとってこの上もなく不都合なのが作られて来た、と著者はいう。著者は認知科学者であるが、そのスタンスは反テクノロジーではなく人間擁護である。認知科学の立場から、人間にとって本当に使いやすい道具とはどういうものかを考えていく。

コンピュータの故障や航空機の大事故など、現在の社会において深刻な事態を招く例の多くがヒューマンエラーに帰されている。実際、非常時における人間の対応のまずさがこれらの事故の原因となったのかもしれないがこれはそもそも「人間は過ちを犯すものである」ことを前提にして機械が作られていないからである。機械の一連の操作のなかで、人間も機械の一部のごとくみなされ機械と同じ正確さが要求されている。いまふうに言うと「人間にやさしい」テクノロジーにはなっていない。

ある仕事を遂行する際に、機械の方は、「正確で、几帳面で、集中的で、非感情的で、論理的」であるのに対して、人間の方は、「不正確で、ずさんで、注意散漫で、感情的で、非論理的」である。このように並べるといかにも人間が劣っているように聞こえるが、これはあくまでも機械を基準にした物言いであって、全く同じ特性を人間の視点から眺めれば、機械の方が、「愚直で、融通がきかなくて、変化に鈍感で、想像力に欠け、状況から切り離された量的評価のみを行う」のに対して、人間の方は、「創造的で、順応的で、変化に配慮し、機略縦横で、総合判断の下に質的および量的評価を行える」ということになる。このように見たときの、人間の不十分さを補強し、人間の長所を生かせるような道具こそが望ましいものであるが、こんな当たり前のことが実は言 うは易く行うは難い。

著者はまた、テクノロジーは中立ではないと主張する。テクノロジーは、ある営みを促進すると同時に他の営みを妨げることがあり、それらは道徳や必要性とは関係のないところで社会の行く末を支配する。特にこの本では、「体験的認知」と「内省的認知」を区別しマルチメディアやインターネットの流行は、コンピュータを体験的認知の手段として使いすぎた結果ではないかという。この問題は教育の場におけるコンピュータの位置ずけに対しても大きな課題となろう。

21世紀を目前にして、今こそわれわれはシカゴ万博の標語を卒業して、人間のためのテクノロジーを取り戻さなければならない。「人間が提案し、科学が探求し、技術がそれに従う」という人間中心の標語の下に世界を構築し直す必要がある、と著者は強調する。

評者;米沢富美子
 慶応大学理工学部教授(理論物理学)
 日本物理学会会長
 出典;雑誌「SClaS」1997.03.21号より


「メガチップス 挑戦の記録 」

著 者:旭 鐵郎
出版社:日刊工業新聞社
定 価:1,600円+税


[ベンチャー企業の成功の秘訣]
進藤晶弘さん(9期)が興した企業「メガチップス」の成功の全軌跡をまとめた本が、この度、日刊工業新聞社から発行されました。創業9年で年商294億円を達成したベンチャー企業の成功の秘訣を、本書は明らかにしています。

進藤さんによると、MBIでの体験(カルチャーショック)が今までの経験を事業経営という視点から整理、体系化でき、それが今日の成功に繋がっているそうです。

「ベンチャーとして成功する条件は4Gです。最初はグッドマーケット。4年で200億円以上の成長を遂げる市場をターゲットに しているかどうか。2番目はグッドテクノロジー。継続可能な優位性を持っているかどうか。3番目がグッドピープル。経験豊かなバランスのとれたチームかどうかです。そして最後はグッドプラン。ビジネスプランが良くできているかどうか。メガチップスは幸いこの4つの条件に恵まれました」

(本書・結びにかえて より)


 『市場の時代』

 著 者:ローエル・ブライアン ダイアナ・ファレル
 翻訳者:横山禎徳、川本裕子
 出版社:東洋経済新報社
 定 価:2,200円+税


[束縛のなくなった市場への回答]
翻訳書ですが、マッキンゼーから『市場の時代』が出版されました。原題は『Market Unbound: Unleashing Global Capitalism』です。

「いったい市場原理とは正確にはどういう理念なのか。またグローバリゼーションの実体と、それがわれわれの暮らしに現実に与える影響はどういうものなのか。市場と国家はどう対峙すればよいのか。そして日本は市場原理を受容するべきなのか。本書は、これらの問いに対して明快に答えてくれる」

(糸瀬茂氏の「推薦の言葉」より)

「この本の原題は Market Unbound である。直訳するなら『束縛のなくなった市場』とでもいうべきか。資本市場が各国政府の制約や頚木から解放されて、グローバルな単一市場になるのは必然の流れだ、という思想が全体を貫いている。

グローバルレベルでの単一市場化は、世界経済の効率化に貢献し市場参加者による個別の意志決定の積み重ねによって進展してゆくこと。その課程は大きなビジネス・チャンスとともにリスクも包含していること。そして、資本市場のグローバリゼーションは『不可逆の現実』であり、それを受容できない政府は深刻な打撃を受け、多大な財政赤字は市場に容認されず、最終的に支えるのが不可能になる―といったことを論じている」

(「訳者あとがき」より)


『企業評価と戦略経営』 (新版)
  ―キャッシュフロー経営への転換

 原 題:『VALUATION: Measuring and Managing the Value of Companies』  
 著 者:トム・コープランド/ティム・コラー/ジャック・ミュリン マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク
 翻訳者:伊藤邦雄(一橋大学商学部教授)
 出版社:日本経済新聞社
 定 価:3,800円+税


《価値創造経営のバイブル!》
事業が生みだす価値を見直し、効果的なリストラ、成長力のあるM&A戦略を展開するにはどうすればよいか。今、日本企業に求められている「価値創造経営」の手法を具体的に明示する。企業価値を最大化させるための実践的テキスト。

「本書において言いたいことは極めてシンプルである。企業は、株主に対する経済的価値を創造できてはじめて成立する。企業は自らの資本コストを上回る収益をあげてはじめて企業価値を創造できる。これは、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本のすべての企業に等しくいえることであり、成熟した製造業にも、現在勃興しつつあるインターネット関連の企業にも同様に当てはまることである」

(「日本語版への序文」より)


『〔新版〕やさしい マルチメディア』

 編著者 :朝倉潤一・愛甲宏明 編著
 発行所 :電気通信協会
 発売元 :オーム社
 定 価 :2,000円+税


 「マルチメディアの分野は、ドッグイヤーという言葉があるように、その進歩と変化はめまぐるしい。しかしながら、よく見るとそのベースとなる技術や理論には共通するものがある。それらは、ディジタル化技術、情報量圧縮技術、コンピュータ技術、通信技術等である。本書では、そのような基本的な技術や理論をできるだけ分かりやすく解説することに重きをおいた。個々の要素技術、理論に関心のある方は、本書を読まれ全体像を把握された後、それぞれの分野の専門書を読まれることを薦める。また、実際にマルチメディア分野でサービス、商品を企画したり、販売しようとされる方には、本書が各要素技術、理論の分かりやすい辞書として座右に置き長く活用していただければ幸いである」

(「新版にあたって」より)


『一人勝ちの経済学』
   選択をやめた日本人

 著 者 :大前 研一
 出版社 :光文社
 定 価 :1,600円+税


 「本書では、現代において『一人勝ち』現象がなぜ起こるのかその構造や社会的背景を探ってきた。そして実際に『一人勝ち』している各種の事例について、多角的に俎上に載せ、その成功の要因と実体、さらには虚実、あるいは行く末を検証してきた。さまざまなヒット商品、国内のトップバンク、各分野の一位企業、アメリカ経済、大成功を収めた経営者や投資家、政治家、歴史上の人物……等々である。

 いろいろな『一人勝ち』を取り上げ、それにまつわる状況に幅広く言及しつつ、さまざまな角度から論じたのは、本書を通じて『現代の日本人にとって、最も大切なこと』を伝えたかったからだ。すなわち、何が本物かを見抜く目を持つ――それこそが、何より重要なことである」

(本書「『一人勝ち』新時代の商社となるために」から」


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