[第9回 Foreign Affairsを読む会]
(2002/10/22)


10月22日(火)、第9回FA研究会が一橋大学大学院ICS特別研究室で開催されました。今回は網倉さん(7期)の提案で、「今日のアメリカで何が起こっているか」をテーマに気楽な意見交換をしようと言う事になり、何時もの英語のテキストは無しで行われました。そのせいでしょうか、4期から28期までの様々な期から、研究会始まって以来最多の18名の方が参加され、3時間弱に亘り活発な意見交換が行われました。

意見交換の材料として、何時もながら素晴らしい資料を網倉さんが用意してくれました。「Telecom Crisisの周辺(含む、WorldCom問題)」「ストックオプションの周辺」「Enron問題の周辺(含む、コーポレート・ガバナンス問題)」の3部作です。網倉さんには、Enron、WorldComの成長発展から破綻までの軌跡を詳しく説明いただきましたが、成長にも破綻にも、情報通信技術の革新を背景とした金融技術の発展が大きな役割を果たしている事に、考えさせられるものがありました。

ストックオプションとコーポレート・ガバナンスの問題にはかなりの議論が集中しましたが、経団連の海外委員長としてこの問題に携わった経験をお持ちの斎藤惇さん(4期)が参加しておられましたので、議論に深みが出ました。ルール化されたコーポレート・ガバナンスの仕組み、厳格な会計制度、市場の透明性を確保する為の様々なルールや監査システムを持ちながら、このような不祥事が発生するのは驚きです。しかし、多民族国家で、契約により国家が成立し、個人は「自由」と「金儲け」を追求する社会では、それだけ厳しいルールが必要とされていると考えるべきなのかもしれません。

全てのアメリカ企業が同じ訳ではないでしょうが、CEOや取締役は勿論、アナリストや会計事務所まで不正に加担するとは、「金」の魔力なのでしょうか。GEの前CEOのジャック・ウエルチは、奥さんとの離婚訴訟の過程で、退任後にも会社から巨額の利益を得られる仕組みを持っている事が明らかにされ、人気がガタ落ちになっているとの事ですが、普通の日本人である我々には理しがたい事です。

アメリカが様々な問題を抱えている事はその通りなのですが、日本の状況は遥かに嘆かわしいと言う事が最後の議論になりました。明治に作られた商法が依然として巾を利かせている事、金融機関が体力だけでなく、技術力でも完全に国際競争力を失っている事などです。頼りは製造業ですが、大丈夫でしょうか。

次回は来年1月の予定で、通常通り「Foreign Affairs誌」から題材を探して実施します。小生がレポーターを勤めるつもりですが、今回同様、多数の方々の参加を期待しております。

報告者 小川 哲夫(7期)
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