[第13回目FA研究会]
(2003/12/16)



第13回FA研究会実施報告  

12月16日(火)、第13回FA研究会が一橋大学大学院ICSセミナールームで開催されました。参加者は11名で、レポーターは網倉さん(7期)でした。今回のテーマは中国の経済・外交問題で、FA誌11/12号より「China's New Diplomacy」と「China Takes Off」と言う二つの論文を取り上げました。網倉さんの周到な準備に参加者一同感激しつつ説明を聞いた後、いつも通り全員参加の活発な議論が展開されました。

知的興奮が冷めやらぬまま場所をパレスサイドビル内の赤坂飯店に移し忘年会を行いましたが、そこでもイラク問題、西安で日本人留学生が引き起こした騒動、アジアでの日本人と現地人との認識ギャップ、日本とアジア各国の歴史教育の差などについて熱い議論が続きました。紹興酒が何本追加注文されたかを冷静に見ていたのは菅野さんぐらいだったかもしれません。

中国の経済発展は巨大な人口を抱えた国だけに世界経済に大きな影響力を持っています。特に、近隣に位置する日本、韓国、アセアン諸国に対しては既に大きな影響を与えていますが、成長が持続した場合の将来の影響力については計り知れないものがあります。所得格差の拡大、失業問題、将来の高齢化、巨額の不良債権を抱えた金融問題、バブル化した投資など様々な問題が指摘される中国ですが、中長期的な経済規模の巨大化は否定できません。

経済の発展に歩調を合わせる形で中国の外交姿勢が大きく転換しています。北朝鮮問題への取り組み、アセアンとのFTA推進、イラク問題への対応などを見ていると良く分かります。今回取り上げた論文では過去の受身的、責任回避的な外交姿勢を明確に捨て去り、洗練されたやり方で国家目的を達成する為、国際的な外交舞台へ登場を始めていると指摘しています。

このような中国の変化に対する日本の戦略的対応は殆ど見られません。イラクへの自衛隊派遣は「日本の国益を守る為」なのかもしれませんが、国益を守る為であるならば中国の変化に対する長期的な対応策を早く講じる必要を感じます。中国研究が最も進んでいるのはアメリカと言われますが、人的交流の厚みを見ると日本の寂しさが際立ちます。中国政府の指導層、次世代のリーダーなどに多くのアメリカ留学経験者、アメリカへのシンパシーを有する人材が存在します。この事が目に見えない重要な意味を持つ事は言うまでもないことです。最近では日本への中国人留学生の数も大きく増加していますが、目先の損得での対応でなく、20年程度の将来を睨んだ戦略的な人材交流、日本シンパの中国指導層育成策を政府、民間共に意図的にかつ息長く続ける事こそ将来の相互理解、必ず起きる摩擦の緩和に役立ち、大きな国益に繋がる施策ではないかと考えます。

次回のFA研究会は来年3月か4月の火曜日に開催します。幹事役(レポーター)は9期の風間さんです。日程が決まりましたら皆さんにお知らせいたしますので、ぜひご参加ください。

報告者 小川哲夫(7期)
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