{ MBI関西ファミリーイベント2017報告 }
2017年10月18日
大阪大学 吹田キャンパス 銀杏会館


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■MBI関西の最後のファミリーイベントとなった第5回目の「2017年秋のMBI
ファミリーイベント」は、2017年10月18日、大阪大学吹田キャンパス内の銀杏
会館で開催されました。当日は約50名(東京方面から18名参加)の参加者で賑わい
ました。MBI関西幹事メンバーは2年も前から何度もディスカッションを重ね、関西
イベントの締めくくりとしては再生医療の近未来を考えるのが相応しいと考え、大阪大
学大学院医学系研究科の澤芳樹教授をお招きし、「再生医療が切り拓く近未来」と題し
て講演していただきました。澤教授は心筋の再生医療に取り組まれていらっしゃいます
が、ご専門の心臓だけでなく幅広い視点から再生医療と今後の取り組みについてお話し
いただきました。講演会のあとは最先端医療イノベーションセンターの施設見学などが
ありました。                               ☆☆

<イベント参加者の受付風景>
















< イベント会場 >












<MBI関西ファミリーイベントの開幕>



< イベントの開会アナウンス: 山内さん(29期)>



< MBI関西会長 飯村六合夫さん(9期)の挨拶 >

■「約30年ほど前、1987年にMBIを卒業した9期の飯村です。東京オリンピック
の誘致で“お・も・て・な・し”が話題になっていたころから、次は何を関西でやるか検
討を始めてきました。和食、観光立国もありましたが、いろいろ議論した結果、今回のテ
ーマとなりました。 その後、このイベントの幹事グループをつくり、川勝さん(14期
)、吉野さん(28期)、山内さん(29期)が任命されました。そしてこの幹事グルー
プをMBI関西幹事が支えて、今日まできました。また大阪大学からは助教の井上様、平
塚様、田邊様にも大変お大変世話になりました。この場をお借りして、大阪大学の関係者
の皆様に御礼申し上げます。MBI関西によるファミリーイベントは今まで4回開催しま
した。最初は2002年に京都の国際会館、2回目は2005年に琵琶湖クルーズ、3回
目は2008年に源氏物語の宇治、4回目は2013年に大阪の帝国ホテルで行いました
そして最後の5回目が大阪大学です。今回は澤教授の特別講演のあと、施設見学、懇談会
と盛り沢山の内容ですが、どうぞお楽しみください。」             ☆☆



< 特別講演会「再生医療が切り開く近未来」 >



講師:澤 芳樹 教授(大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科)

■澤芳樹教授には、以下の内容についてスライドを使いながら詳しくご説明いただき
ました。<スライドは澤教授提供>





■はじめに:世界で最も古い、正確に描かれた心臓はレオナルド・ダヴィンチ(1452
〜1519)によるもの。 など




■「適塾」: 大阪大学医学部は幕末に緒方洪庵が創設した「適塾」の流れを汲んでおり
1869年に明治天皇の勅旨により大阪仮病院と仮医学校(1880年まで)を設置、こ
れが大阪大学の前身となった。






■心臓手術の推移:心臓手術は1936年の心臓外傷の手術から始まり、低体温法による
直視下心臓手術、人口心肺による直視*下心臓手術、大血管手術へと推移してきた。




■心臓血管の病気:心臓血管には、@心臓弁膜症、A冠動脈疾患、B大動脈瘤、C不整脈
、D心不全の五つの病気がある。




■ロボットを使った手術とAI:手術支援ロボットの「ダ・ヴィンチ」を含めロボティッ
クスはもっと進化しなければいけない。これからは人工知能(AI)がもっと医者を側面支
援するようになるだろう。

■大阪大学での心臓手術:心臓手術は2003年には304件で1.3%の死亡率だった
のが、2016年では1200件、死亡率は0.5〜0.6%に改善された。

■慢性心不全:慢性心不全は誰もがなる可能性のある怖い病気である。




■心臓移植:日本では1968年に初めて心臓移植が行われた(札幌医科大学、和田教授
)が、その後いろいろ議論が起こり「失われた31年」た。日本で心臓移植が必要な人は
数千人いるが、現在では年間50例ほどである。

■補助人工心臓と次世代補助人工心臓:補助人工心臓は進化してきており、次世代補助人
工心臓は超高性能の埋め込み式で低侵襲のカテーテル式補助人工心臓もできている。

■再生医療:大阪大学の澤教授らの研究チームが開発した再生医療による心筋細胞シート
を使った治療方法が脚光を浴びている。心筋細胞シートは、患者の脚の筋肉から採取した
筋芽細胞を採取してシート状に培養したもの。それを心臓患部に貼り付けると細胞シート
から出るサイトカインが心臓の筋肉に働き、心臓を元気にし、症状が改善され生存率が向
上する。「心筋梗塞の画期的な治療法」として2012年にテレビ番組でも紹介された。
iPS細胞を利用した治療法については京都大学の山中伸弥教授とも共同研究をしている。




■臨床研究の開発:臨床研究の開発は、魔の川(デビル リバー:開発に伴う産みの苦し
み)、死の谷(デス バレー:新事業(特に新技術)を実際のビジネスに育てる苦労)、
ダーウインの海(ダーウィニアン シー:弱肉強食の世界で生き残れるか)という三つの
Dのハードルがある。心筋シートはダーウインの海を渡りだし、 iPS細胞は死の谷を渡り
終わる寸前まできている。




■大阪大学医学部附属病院での再生医療:再生医療は「角膜」、「骨」、「脊椎損傷」、
「歯周病」、「軟骨」などの治療を確立するため、臨床研究を進めている。他にも118
の支援シーズなどがある。

■新しい人材育成のプログラム:スタンフォード大学から新しい人材育成のプログラムを
導入し、「医療機器開発のアントレプレナー型教育プログラム」など、次世代リーダー育
成プログラムにも取り組んでいる。




■心筋再生医療の未来: iPS細胞由来の心筋細胞(3〜5年)心筋組織3D形成(拍動す
る心筋組織を重層化)(5年〜10年)、バイオ心臓(心臓を丸ごと造る)(20年〜40
年)という未来図を描いている。




■将来に向けて:確率性の高い医療を提供するため、@ゲノム医療、A予測医学・先制医
療、B人工知能(AI)Cロボティックス、D iPS細胞実用化に取り組まなければいけな
い。その為には新時代に向けた人材育成が重要である。

■Q&A:
6名の参加者から質問があり、澤教授から丁寧にご回答いただきました。

Q&Aの後、参加者全員の記念撮影で講演会は終了しました。






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<次は、最先端医療イノベーションセンターの見学です。>
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  < iPS細胞由来の心筋細胞シートの展示を見学。 >
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■以下の写真は、2016年のG7伊勢志摩サミットで展示された iPS由来の心筋細胞
シートです。 iPS由来の心筋細胞シートが動いているのが分かりました。右上の電球の
ようなものは赤外線ランプで、温度を36℃に維持します。この細胞シートは1週間動
き続けるそうです。

















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先進医学と伝統医学の融合による超高齢社会における問題の解決
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次に萩原圭祐特任教授(大阪大学大学院医学系研究科)による先進融合医学のミニレク
チャーがありました。超高齢社会の中で要介護状態に至る重要な要因としてサルコペニ
ア(加齢に伴う筋力低下や身体機能低下)とフレイル(虚弱性の増大)という状態があ
ります。萩原特任教授はそのような超高齢社会が抱える問題解決のため「漢方等の伝統
医学と先進医学の融合による新たな解決手法の創出」をテーマに取り組んでおられます。
<スライドは萩原特任教授提供>












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<  さあ、いよいよ懇親会です。 >
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< (MBI同窓会)二ツ木会長 乾杯の挨拶。>



<(阪大医学部)澤教授 乾杯の挨拶 >


< 宴たけなわの懇親会風景 >















< ドアプライズの抽選会。 >







< ドアプライズ(卓上陶板)の解説。>





< MBI関西の幹事の紹介 >









< 長年にわたりMBI関西を支えてくれた菅野さんに感謝。 >





< 夜の最先端医療イノベーションセンター >



[  懇親会でのワインリスト  ]


イベント記事執筆&ワインリスト執筆: 山内 眞也(29期)
イベント記事編集: 菅野妙子(MBI全期)
写真撮影: 木下正治(22期)、中嶋靖史(27期)、伴野国三郎(27期)
HP編集: 伴野国三郎(27期)



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