「北京の物価」

小山朝久(16期)
1999年6月9日


中国の最高額紙幣は百元札です。最近の為替相場で換算すると一元は約十五円ですから、最高額紙幣が約千五百円ということになります。

北京に来た当初、こんな小さい額ではお札をたくさん持たなければならなくて大変だと思いました。しかし、しばらく生活しているうちにこれで良いのだということが分かってきました。要は、物価が安いのです。荒っぽい言い方をすれば、百元札の購買価値はほとんど一万円相当なのです。

私の私生活の典型例をあげましょう。ビールの大壜が一本三元七角(六十円弱)です。タクシーの初乗り料金は十元(百五十円)で、北京市内なら、相当乗っても五百円になることはまずありません。バスの均一料金は、何と五角(八円弱)。昼食は仲間と外食しますが、割り勘は十五元前後、三百円を超えることはほとんどありません。中国産の衣類にもなかなかしゃれたものがありますが、例えば、柄物のシャツは高くても五十元(七百五十円)、高級百貨店で買った夏物のジャケットとズボンがそれぞれ三百元(四千五百円)でした。

大の男(古いねえ)が外出する時、ポケットにお金が少ないと不安なのは皆様と御同様だと思います。それで当初は、千元持ち歩いていました。ところが、ある日、見事にすりにやられて、以後、二、三百元しか持たないことにしていますが、恥をかいたことはありません。

とんでもない例外があります。外国人向けの住宅の家賃です。改革開放経済が始まって、外国人がどっと入ってきた時には、満足に住める家がほとんど無く、あっても非常に高かったそうです。多分、それが尾を引いて、なぜか米ドル立てで月二千から六千です。これではいくら他の物価が安くても何にもなりません。

ただし、いわゆる駐在員の家賃は企業や官庁もちのことが多いですし留学生は安い寄宿舎に入っているのが大部分ですから、当人としては物価安だけをエンジョイしていると思います。最近、外国人向けの住宅が儲かると見て、日本を含めた外国資本によるアパートの建設がラッシュで、そのため、家賃が暴落しているようです。だんだん普通の国になっていくということでしょう。

次回は、デリケートな日中関係を話題にするつもりです。

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