第8話 (9.18.2004)
「プロ野球問題、スト突入にあたり球団私物化よりの脱却」


9月17日、第二回労使交渉は不調に終わり、
選手会は苦渋の決断として9月18日(土)・19日(日)の
スト決行を決めました。
日本プロ野球史上初の最悪の事態へと発展したのです。
私は、このストはかなり長期化すると予想しております。

その理由は
球団側と選手会との間のミゾがあまりにも深いということです。
ここにきて選手会は今年・来年の直近的問題から
10年・20年後のプロ野球界のあり方にまで言及するにいたっています。
一方の球団側よりは長期的展望に関する発言が全く聞かれません。

私が理解できないのは第7話でも記述しましたが、
一般企業と違い、野球界はチーム単独では成り立たない業界なのです。
この論理を優秀な経営陣はわかっているはずです。

にもかかわらず、野球界全体の今後のあり方を論議しようと
持ちかける人が出てこないのが理解できないのです。

そこであえて、球団側の思考回路を推測すると、
球団を持つ意義は親会社の宣伝媒体。

しかし、その宣伝媒体が費用対効果において球団を持つ意味が無くなったか、もしくは球団を維持するだけの体力が親会社に無くなった場合、
多くの経営者は経営判断として球団を手放すか経費の負担減を
図っての合併工作に走ります。
この経営判断は一般の企業で日常茶飯事に行なわれているもので、
決して間違っているとは思いません。

ただし、一般企業は業界で一社しかいなくても
その会社は事業の継続が可能で、
むしろ競争会社は少ない方がその会社にとって生き延びやすいと言えます。

しかし、野球界は一定の数の球団が存在し
かつ球団間の競争が激しいほど業界は栄えるのです。
まさに共存共栄。

この違いの認識が欠落しているのです。
球団側の思考回路をいかにしたら変えることが出来るのでしょうか?

根来コミッショナーから、有識者を集め、
将来のプロ野球界のあり方を審議する委員会の設置提案がありました。
遅きに失した感はありますが、非常に良い提案だと思います。
何人のオーナーがこの提案を真摯に受け止めているでしょうか?

恐らく、「何を馬鹿なことを言っているのか、金を出して球団を経営して
いるのは我々だ。金も出さぬ奴に球団経営に口を出す資格は無い。」
ぐらいにしか思っていないでしょう。

更に危険なことは、その球団親会社ですら恒久的に現在の球団を維持
すると言い切れる会社が何社あるでしょうか?
親会社の社長といえども、雇われ社長で任期もあり株主から経営上の
改革として球団放を求められれば手放すしかありませんね。

棄親会社の社長といえども、決して球団存続の生殺与奪の権を
一手に握っているオーナーとは言えないのです。

要は、これまでの親会社による球団私物化の考えから
脱却しない限り、野球界の存続・発展はあり得ないと思います。

一般企業の合従連合は経営判断の選択儀の一つと思いますが、
野球界では、球団親会社を応援するのではなく、
チームや選手を応援しているのが顧客(フアン)なのです。

顧客満足度を考慮しない企業は存続出来ません。
合従連合で球団がコロコロ変わっては顧客がついてゆけません。
顧客心理(フアン心理)は一朝一夕にAチームからBチームへと
心変わり出来るものでは無いのです。

第7話で述べたように、今やプロ野球は親会社の手から離れ
一人歩きする時代に入っていると思います。

私は今回のスト決行を機に
70年に亘る日本プロ野球界を野球産業とし
て機構改革するトリガーとならんことを強く望んで止みません。

機構改革の具体的内容の一例は第7話で述べた通りです。

最後に、新規参入会社が手を挙げているにもかかわらず、
慎重な精査のため、
時間が必要と新規参入を歓迎しないかのごとき発想は
これまた理解出来ません。

これまで球団所有会社は何度も変わってきていますが、
私の記憶では、一夜にして球団所有会社が変わった例が
多かったと記憶しております。

今回の新規参入会社がトヨタ自動車とか朝日新聞社であっても
慎重な精査のため、時間が必要になるのでしょうか?

Internetという歴史が浅く、
一時代前の経営者には馴染みが薄い業界からの
加盟申請だからなのでしょうか?

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