第16話 (12.16.2004)
「小中学生の教育」


今年の10月より始まった江戸川区の総合人生大学
の中での授業の一つとして「江戸川学」があります。
その江戸川学の授業の中で「教育」と題して
江戸川区小岩の小学校の元校長先生の講義がありました。

講師曰く、
江戸川区には106校の小中学校があり、
毎年100名の新卒先生が就任する、とのことです。

この新卒先生はいろいろな理由から
数年すると退職してしまうそうです。
理由の一つに学童の父兄の期待が大きすぎて
精神的な負担から退職をするとのこと。

そして同講師は次のことを言っていました。

「小中学生の教育は学校が全てではありません。
三位一体、すなわち学校と家庭と地域社会がそれぞれ1/3
ずつ受け持つことで初めて真の教育が可能となります」

私は聞いていてその通りであろうと感じました。

私が寺子屋と称して、ボランティアで中学一年生の男子を二名、
毎週3日(2時間/日)、英語、数学、国語を今年の6月から
自宅で教えております。

この子供達を教え始めた時に感じたことは、
この子供達が小学校の2・3年生の時、
親たちは何も感じなかったのか?
という素朴な疑問でした。

なにしろ掛け算の九九の七の算以上が出来ないのです。
また、分からないのは小学校の先生の教え方が悪かったから
と一方的に責めることが出来るでしょうか?

現代社会では"教育ママ"という言葉をメディアでよく見聞きしますが、
全く子供の教育に無関心の親もいるようです。
無関心というよりも教育は学校がしてくれるもの
と思い込んでいる親もいるということです。

悲しいことは、私が教えている子供達は
自分が学校の成績が悪いことを認識はしているも、
成績を良くしようとの気持ちがとても希薄なことです。

私が初めて英国のロンドンに駐在した時、
下の娘は3歳半でした。
日本でいう幼稚園ですが、
英国には当時日本人経営の幼稚園は存在しておらず、
英国の幼稚園に娘を入れました。

その幼稚園は一年に3回、
父兄と先生の懇談会がありました。

日本でいう父兄会みたいなものです。
この懇談会は日本と同じでWeek dayに行われます。

しかし、日本と違うのは、
この懇談会の始まりの時間が午後6時以降なのです。
すなわち、勤め人の父親が参加できる時間帯でなされるのです。
先生方は懇談会のある日は遅くまで幼稚園に残り、
父兄と懇談することになります。

しかも、父兄全員対先生ではなく、
一父兄毎に20分程度の時間をとり
全員の父兄と懇談を行うのです。
そのため、父兄懇談会はほぼ一週間に亘って
行われることになります。

その心は子供の教育とか、しつけは母親の仕事ではなく、
両親の仕事と定義ずけているからです。
そのためには先生も遅くまで残って協力をしよう
という姿勢なのです。

英国では日本との比較において教職という立場は
金銭面ではなく、社会的に高い位置に置かれています。
人を教育するという人間として
最高の職場として位置づけられています。

先生方は、誇りをもって人間教育(学問のみならず人間としてのあり方)
にあたっております。

結果として、
自分の時間を犠牲にしても両親との懇談を介して
子供の教育を徹底しようとの姿勢が生まれる
のではないかと思っております。

一方、私の知っている日本の父兄会はWeek dayの昼間、
時間は午後3時〜6時くらいになされています。
結果として、父兄会と称しているものの、
出席者はほとんどが母親だけではないでしょうか?

三位一体の教育は大賛成ですが、
いかにしたら三位一体の教育が可能となるか
の研究・努力が必要と思います。

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