第25話 (4.10.2005)
「経済大国vs国民の豊かさ感情」


今回はチョット堅い話を書きました。

平成17年度の国家予算が政府案通りに成立しました。
平成16年度と同程度の予算規模で
国債依存度(予算額の40%強)も
変化ありません。

昨年末現在の日本国の借金は総額751兆円。
国民一人当たりに換算しますと
596万円(人口126百万人換算)。
労働人口は総国民の6割と仮定すると、
労働人口一人当たりの借金額は
993万円、約1,000万円となります。

日本の2002年の名目GDPは約500兆円。
米国には遠く及びませんが
堂々の世界第二位です。

独・仏両国のGDPを合算しても
日本には及びません。
因みに韓国の10倍です。

2003年の世界の経済収支を見てみますと、
日本はダントツの一位で
約16兆円の収入超。
米国は約60兆円の支出超(韓国のGDP額以上)。

GDP/経済収支ともに世界の中で
冠たる経済大国である日本国が
何故に借金大国なのでしょう。
これほど歪んだ経済構造をもった国は世界でも稀です。
GDPと経済収支はいわば民間活力といえます。
国家の借金は
政府のヤリクリ下手といえるのではないでしょうか?

因みに平成8年12月末の
日本国の借金は343兆円でした。
この8年間で借金が400兆円超も増えたのです。

毎年、平均50兆円の借金を増やし続けたのです。
50兆円という額は
韓国一国の総GDPに相当します。

ライブドアの
ニッポン放送敵対的買収が話題になっていますが、
国の売買が可能であれば、
韓国相当の国を毎年1カ国づつ
購入し続ける額の借金を続けてきたのです。
税収の不足が国債発行増の原因故に、
消費税率を上げて国債発行減に繋げたい
と発言している国会議員がTVに登場しました。

日本の消費税の歴史は欧米諸国に比べ浅く、
かつ先進諸国の中では一番低い税率です。

スエーデンは25%と世界最高値、
西欧平均でも20%程度でしょう。
米国は州によって異なりますが
平均8%程度。
韓国は10%。

確かに日本の消費税率は低いですが、
率だけの論議は危険です。
税収の観点からすれば
率ではなく税収入の絶対額をまず論議すべきです。

消費税をかける対象は
ほぼ前出のGDP額に相当すると考えられます。
すると、500兆円のGDPに5%を掛けると
25兆円の消費税が国家の収入となります。

韓国は10%であっても
GDPは50兆円ですから
韓国政府の消費税収額は
日本の1/5の5兆円に過ぎません。
韓国の人口は日本の約1/3です。

これから言えることは
日本国民の一人当たりの消費税納入額は
韓国国民一人当たりより多いことになります。
前出のごとくGDPは世界第二位、
経済収支にいたってはダントツの一位。

成立した予算の税収額は44兆円と
韓国のGDP総額に近い。
にもかかわらず、
日本人は何故欧米並みの豊かさを感じられないのか?

第一に平地面積が少ないことから
一人当たりの住居空間スペースが少ない
ことがまず言えると思います。

次に生活必需品物価が世界一高い。
総務省の発表によりますと、
牛肉はニューヨークの5倍、
ロンドンの3.5倍です。
米はニューヨークの3倍、ロンドンの2倍。
小麦粉はニューヨークの2.5倍、
ロンドンの3倍です。

上述のように
数値的に国民が体得できるもの以外に、
国家の巨額の借金が足枷となり
画期的な投資が国家として出来なくなっており
国全体がマイナス・スパイラルに入っていることで
日本全体に逼迫感があるのではないでしょうか?

欧米諸国に比べますと、
日本という国は明治維新以降、
国が強烈なリーダーシップを取って
国を復興・繁栄させてきたという感覚よりも
民間活力によって支えられてきた感が強くあります。
民間会社も
リーダーシップある社長が不可欠ですが
日本株式会社にも不可欠です。

更に民間会社には
社外監査役という立場の人がいて
会社の経営を監視しております。

日本株式会社にも
政府外監査役がいても良いでしょう。
その役目をメディアにお願いしたいところです。

日本のTVの某番組で
米国のメディアがご意見番の機能を失いつつあるとの
特集を放映しておりました。


一方日本のメディアはどうなのでしょうか。

これほど歪んだ日本国の経済構造を
何故日本のメディアは追求しないのでしょう?

私には不思議でなりません。

郵便事業の民営化をメディアは取り上げています。
取り上げるのは大いに結構ですが
取り上げ方に問題は無いでしょうか?

現在の郵便事業の内容を
詳しく国民にわかるように解説し、
国営から民営化になると
どのような長短が予測されるかを
数字をもって報道すべきではないでしょうか?
小泉内閣に
もっと詳しく説明しろと矛先をかわすのは責任転嫁でしょう。

政府が見解を述べたものを
単にメディアを介して垂れ流すだけでは
報道機関の尊厳は無いに等しいのではないでしょうか。
国会の揉めごとを報道するのも結構ですが、
国の経済機構を鋭く抉り出して欲しいと思います。

例えば、欧米諸国のGDP、
予算総枠、税収額、支出の内容、
官公庁や政府外郭団体、
国家・地方公務員の人数/国人一人当たりなどを
一覧表にとりまとめた上で
日本とどのような違いがあるのかを解説する。
更には欧米諸国の民営化(郵政に限らず)の
歴史とその功罪の解説。

私が知る限りでは
1979年に英国の首相となったサッチャーさんは
英国経済の復興を掲げ、
【外血の導入】と【民営化】に取り組みました。

当初、多くの国会議員達は
彼女を【狂人扱い】したと言われるほど
当時としては考えれないことでした。

報道機関は
彼女の考え方をメディアに詳しく掲載・報道し、
国民に彼女の考え方に賛成か反対か?
またその理由は?
を回答期限を付して問いました。

回答期限後に
同報道機関は回答者総数・回答の内容を
サマリーして報道しました。

日本の報道機関が
郵便事業の民営化のみならず
前述のごとく、いろいろな切り口から
日本株式会社の監査役として
ご意見番になって欲しいと願ってやみません。

勿論、我々国民はもっと政治に関心を持つべきでしょう。

我々は日本株式会社の株主
(税金という名で日本の株を買っている)ですから、
会社が株主の金をどのように使っているのか?
会社の経営はうまくい
っているのか?
関心を持つのは当然のことと思います。

追記:
因みに、1981年から2005年までの24年間に
日本株式会社の社長は小泉さんを入れて11名、
米国はブッシュさんを入れて4名、
英国はブレアさんを入れて3名です。

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