第29話 (5.29.2005)
「入 院」


5月17日より26日までの10日間、
胆管炎のため都内の某病院へ入院しました。
その某病院での体験を記述します。

(最近は男女差別問題から
看護婦さんを看護士と呼ぶようになりましたが、
私にはピンとこないので従来通り看護婦と記述します。)

某病院は都内でも古い歴史を持った有名な病院ですが
設備が老朽化しております。

私が入院した病室は8人部屋です。
BED上からナースコールボタンを押すと
看護婦さんが病室に来てくれますが、
8人の誰がボタンを押したのかが看護婦さんにはわかりません。

従い、昼間の時間帯は看護婦さんが病室に入るや
【どなたが押しましたか?】
と大きな声で問いかけます。

昼間は良いですが、
消灯後(午後9時消灯)は大きな声を出せませんので
一人一人のカーテンをめくって中の様子を伺うことになります。

BEDは固定型のものがほとんどですから
管をつけた患者さんや
手術後の患者さんは
寝返りを自分の力で打つことが困難ですから、
看護婦さんを呼ぶことが多いわけです。

看護婦さんの勤務体制は
昼勤が午前8時半〜午後4時半(8時間勤務)、
夜勤は午後4時〜翌日の午前9時(17時間勤務)
の2交代制です。

夜勤看護婦さんの人数は昼勤務の半数以下ですから
長勤務時間の上に負荷がかなりかかっていると思います。

我侭な患者さんも中にはいて、
ナースコールボタンを押しても
看護婦さんが病室に駆けつけるのが遅い、
と文句を言っている患者さんもみかけます。
私から見れば
かなり早く駆けつけていると思っていますが・・・。

看護婦さんの仕事は知的労働というよりも
身障者対応のHelperさんよりも
きつい肉体労働といった感がぬぐえません。

数人の看護婦さんと親しくなり
看護婦さんのPrivateな話を聞く機会がありました。
勤務を終えると体が疲れきってしまい、
何もする気力・体力が残っておらず
病院と家との往復だと言っておりました。

その看護婦さんよりも
更にきつい労働環境下で働いているのが
若い医師達です。

彼らの勤務体制は
午前8時半から午後10時まで毎日働いています。
その上に、
何日かに一度は日直という徹夜仕事があります。

聞くところによると
研修生期間は月給が数万円とのことです。

この研修期間は5年。
これでは医師志望者が減少傾向にあるのもうなずけます。

一方で、
面白い現象を今回の入院期間中で散見しました。

私はどうしてもタバコを止められず、
入院期間中も管をつけた状態で
玄関脇の喫煙所に昼夜を問わず出かけておりました。

病院が閉院した午後7時過ぎに喫煙所に行きますと、
喫煙所の傍に設置されているソファーに
何人かの背広姿の人が座っているではありませんか。

彼らは決して患者さんでもなく、
見舞い客でもありません。
見舞い客は午後7時に院外に出されてしまいます。

当初はどのような人種なのかわかりませんでしたが、
良く観察した結果、判明しました。
彼らは就業後の医師を待っているのです。

勿論、研修生ではなく、
それなりの責任を持たされた
中堅どころの医師を待っているのです。

当該医師は病棟から降りてくると、
待機している人を無視して
ドンドン玄関から外に出てゆきます。
その後を急ぎ足で待機者が追いかけてゆくのです。

そして病院前に駐車しているタクシーに
医師と待機者が乗り込むわけです。

この待機者は後日判明しましたが、
医療機器や薬を病院へ納めている業者の方々でした。

アルコールが抜けきっていない体で、
患者さんの体にメスを入れないように願っています。

今回は内視鏡検査をしました。
口から直径2cmはあろうかと思われる管を飲み込み、
管の先端は肝臓まで達します。

十二指腸から胆管へ管を入れる技術は
機械ではなく医師の手先の技術に頼らずを得ません。
下手な医師にあたると
胆管に管が入らずに膵管にダメージを与え、
膵炎になってしまいます。

昨年初めに同じ胆管炎を患い、
違う病院で治療を受けた際、
同じ内視鏡検査をしたのですが膵炎を併発し、
10日間飲まず食わずで高熱(39度)にうなされました。

場合によっては死にいたるとのことです。

今回の医師は上手な方であったのか、
膵炎は併発しませんでした。

医療ミスがメディアに時々掲載されていますが、
患者は医師を選べませんので
医師の医療技術向上を願ってやみません。

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