第37話 (10.21.2005)
「小学生の英語教育」


先日のTV・新聞で教育委員会が小学校3年生より
英語の授業を平成19年より実施する旨決定した
との報道がありました。

その理由は、日本の英語教育は
中学校・高等学校・大学と
通算10年間行っているにもかかわらず
日本人の英語力は世界の中で劣っている
との判断から早めに英語に親しませるとのこと。

日本人の英語力が世界の中で劣っている
との判断基準は何であったのか?
私の推測ですが、読み書きではなく、
話す・聞くの力から判断したものと思います。

私自身15年間の欧州駐在経験を通じて感じたのは、
日本人の読み書きに関する英語力は
世界の中で劣っているとは決して思いません。

むしろ英語を母国語とする
英国を除いた他の欧州各国の人々よりも
優れているのではないかと思います。
特に英文法に関しては。
ただし、話す・聞くの会話力は
明らかに欧州各国の人々より劣っています。

小学校より英語授業を開始することに関し、
TV Interviewに出た、慶応義塾の教授が、
【語学は早く勉強を開始することで
語学習得率があがるとは限らない。
むしろ、環境・その人の才能・教育方法
次第で習得率は上がる】
と言っておられました。

更に教授曰く
【小学生の年齢でもっと大切なことは、
日本人として確かな日本語を習得させること、
何が良いことで
何が悪いことかの判断力をつけさせることに
大切な時間を費やすべきである】
私も全く同感です。

会話力の向上は
小学生の時から始めることでは解決しません。
これは明らかです。

私はこのシリーズの第26話、
「拝啓、文部科学大臣殿」で書きましたが、
中学校・高等学校の英語の授業の方法に問題があるのです。
仮に小学校から英語の授業を始めたとしても、
現在の教育方法の延長で行うのであれば
効果は全く期待できません。

何が問題か?
第26話と重複しますが・・・。
第一に、会話力向上をめざしたくても
会話の出来る先生の人材が払底している。

第二に、日本語の漢字書き取りテストもどきの
英単語のスペルテスト。
書くことは出来るようになっても
満足な発音が出来ない上に、
覚えた単語を会話の中で使えこなせない。
特に動詞。

第三に、日常英会話に不必要な
高度な英文法(シェークスピアの時代かと錯覚するほど)に
時間を割いて教育している。

教育委員会のお歴々には、
日本語を我々はどのようにして習得してきたのか、
2〜3歳児からの10年の間に、
自分自身の体験を振り返っていただきたい。

更に、我々は日本語国文法なるものを
学校で教わっていません。
何故、英語になると文法づけになるのかが理解できません。
敢えて理解しようとするならば、
英語の丸暗記には時間がかかるので
理論的に習得させようとの狙いなのかもしれない。
仮にそうだとしたら、
英語を学問として扱いすぎてはいないでしょうか?
我々は日本語会話をしている時に
その会話を学問としては認識しておりません。

小学校の3年生より英語授業を開始することよりも
教育委員会が今すぐにでも取り掛からねばならないのは
以下のことだと思います。

@英会話を生徒に教えることの出来る教師を早急に養成する。
A文法主体の教育から会話主体の教育に教材を修正すること。
 読み書きではなく、話す、聞くに主体を移す。
B英語の仕組み(文法)を教育するのは現在の中学校のレベルで十分。

私が10年間駐在した英国での経験では
英国人が日常会話で使用する単語と構文は
日本の中学校で教わる内容と同じレベルです。


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